診断のポイント
【1】Helicobacter pylori(H. pylori)感染による慢性胃炎が重要な胃癌発症のリスクファクターとなる。
【2】X線造影検査や内視鏡検査の画像診断で胃癌を疑う病変を発見する。
【3】内視鏡により生検した標本の病理組織学的所見により確定診断する。
【4】発見されるきっかけ
❶対策型胃癌検診(X線造影検査・内視鏡検査)。
❷消化器症状の原因を検索する目的に行ったX線造影検査・内視鏡検査。
症候の診かた
【1】原則として,胃癌に特有の症状はない。
【2】早期胃癌:特有の症状がないので,本邦では,消化器症状(腹痛,胸やけなど)の原因を検索する目的に行った画像診断で,たまたま発見されることが多い。
【3】進行胃癌:体重減少,出血(吐血,下血,貧血),腹水,嘔吐,食欲不振などの症状を伴うことがある。
検査所見とその読みかた
【1】胃癌のリスクを診断する検査
❶H. pylori感染:血清・