[Ⅰ]胞状奇胎†
診断のポイント
【1】妊娠検査薬陽性。
【2】500~1,000妊娠に1回の頻度で発生する。
【3】経腟超音波検査で子宮内腔に胎囊ではない異常陰影(vesicular pattern)を認める(図1図)。
【4】胞状奇胎の診断は,病理組織診断により行われるため,子宮内容物を必ず病理検査に提出する。
【5】細胞遺伝学的に,雄核発生二倍体である全胞状奇胎と,父2母1のハプロイドを有する三倍体である部分胞状奇胎に分類される。
症候の診かた
【1】正常妊娠と区別可能な症状はない。
【2】周閉経期で妊娠に気が付いていない場合は,消化器症状のため内科などを受診する場合がある。妊娠機会の問診が肝要である。
検査所見とその読みかた
【1】hCG:血清hCGは高値な場合が多い。
【2】経腟超音波検査
❶全胞状奇胎:経腟超音波検査で典型的なエコー像を呈する場合が多いが,非典型像にも注意する(図1図)。
❷部分胞状奇胎:
関連リンク
- 今日の診断指針 第8版/異所性妊娠(子宮外妊娠)
- 今日の治療指針2024年版/卵巣癌,卵管癌,原発性腹膜癌
- 今日の治療指針2024年版/絨毛性疾患
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/2 産婦人科的急性腹症総論・異所性妊娠
- 臨床検査データブック 2023-2024/頚管膣分泌液中癌胎児性フィブロネクチン《ヒト癌胎児性フィブロネクチン》 [保] 204点
- 臨床検査データブック 2023-2024/膣分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型〔IGFBP-1〕 [保] 175点
- 臨床検査データブック 2023-2024/α-フェトプロテイン〔AFP〕 [小][保] 101点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA125(糖鎖抗原125) [小][保] 140点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CA602(糖鎖抗原602) [保] 190点(包)