治療のポイント
・熱中症診療の基本は早急な体温降下と脱水補正に努めることである.
・熱中症の診断は除外診断による部分も多く,鑑別診断を常に念頭におく必要がある.
・深部体温が40℃以上の場合は生命危機ととらえ,現場から継続して迅速な冷却を行うことと,その後の合併症対応をふまえて集中治療室が整備されている施設で管理を行うことが望ましい.
●病態
・熱中症は生死にかかわる重篤な疾患であるが,一方で予防できる疾患でもある.
・日本救急医学会より「熱中症診療ガイドライン2015」が発行されており,「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」と定義されている.これは体内における熱の産出と放散のバランスが崩れて,体温が著しく上昇した状態を示している.
・暑熱環境(高温,高湿度,無風,放射熱),年齢(高齢者,乳幼児),体質(男性,肥満,基礎疾患)などが発症に関与している.
●治療方針
通常の病態評価に加え
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/生理食塩液《生理食塩液》
- 治療薬マニュアル2024/ミダゾラム《ドルミカム》
- 治療薬マニュアル2024/ロクロニウム臭化物《エスラックス》
- 治療薬マニュアル2024/ドブタミン塩酸塩《ドブトレックス ドブタミン》
- 治療薬マニュアル2024/D-マンニトール《マンニットール マンニットT》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)濃グリセリン・果糖《グリセオール》
- 治療薬マニュアル2024/トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)《リコモジュリン》
- 今日の治療指針2024年版/小児の輸液・経口補水
- 今日の救急治療指針 第2版/熱中症
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/B 全身管理と情報収集──急性中毒の治療の5大原則(1)
- 新臨床内科学 第10版/1 偶発性低体温症
- 今日の小児治療指針 第17版/輸液療法