●病態
・溶血や肝機能異常を伴わない高ビリルビン血症で,ビリルビン代謝および移送の異常によるもの.間接型(非抱合型)高ビリルビン血症と直接型(抱合型)高ビリルビン血症に分けられる.
・前者は肝臓でビリルビンを抱合するビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の異常による遺伝性非抱合型高ビリルビン血症で,血清ビリルビン値により重症型のCrigler-Najjar(クリグラー・ナジャール)症候群1型,中等症の2型および軽症のGilbert(ジルベール)症候群に分けられる.
・後者はDubin-Johnson(デュビン・ジョンソン)症候群とRotor(ローター)症候群である.Dubin-Johnson症候群は肝細胞から胆管側に抱合されたビリルビンを排泄するABCC2(cMOAT/MRP2)の異常である.ABCC2から排泄されない抱合型ビリルビンの一部はABCC3により肝細胞から類洞側に排泄