●病態
・亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は,麻疹ウイルスの脳内持続感染の結果生ずる,麻疹ウイルス変異株(SSPEウイルス)による遅発性中枢神経感染症(ウイルス性脳炎)である.
・麻疹罹患後,通常3~12年の潜伏期を経て知能低下や行動異常などの大脳徴候で発症し,その後けいれん,ミオクローヌス,運動性徴候が出現,進行して昏睡や後弓反張,さらに無言症,全大脳皮質機能消失をきたして死に至る.
・わが国では,麻疹ワクチンの接種率向上とともに麻疹発症者数が減少し,それによりSSPEの発生数は年間0~数例ときわめてまれな疾患となった.
●治療方針
イノシンプラノベクス(イソプリノシン)の内服療法と,インターフェロンの脳室内投与療法の併用を行う.診断がつき次第,早期にイノシンプラノベクス経口投与を開始し,オンマヤリザーバーを設置してインターフェロンの脳室内投与を行う.
イノシンプラノベクスは抗ウイルス作用と免疫賦