基準値 1.2~2
共用基準範囲 1.32~2.23
測定法 総蛋白をビュレット法で,アルブミンをBCP改良法で測定した後,算出する
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 主として免疫グロブリン増減のスクリーニング
Decision Level
●1.2以下(基準下限以下)
[高頻度・可能性]多発性骨髄腫,膠原病,肝疾患(肝硬変,慢性肝炎),自己免疫性肝炎,慢性感染症,ネフローゼ症候群,蛋白漏出性胃腸症,吸収不全症候群,栄養障害,先天性無アルブミン血症 [対策]蛋白分画,アルブミン・免疫グロブリン定量,原疾患の診断と治療
●2以上(基準上限以上)
[高頻度・可能性]原発性免疫不全症候群,後天性免疫不全症候群,薬剤(副腎皮質ホルモン剤,免疫抑制薬),放射線 [対策]蛋白分画,アルブミン・免疫グロブリン定量,原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
A/G比の上昇は,グロブリンの減少でみられる.A/G比の減少は,アルブミンの減少かグロブリンの増加(単クローン性,多クローン性),両者の合併,またはアルブミンおよびグロブリンの減少によって起こる.アルブミンとグロブリンがともに高値となる脱水症や,ともに低値となる血液希釈ではA/G比は変化しない.健常者でもA/G比の上昇がみられることがあるが,その大部分は免疫グロブリン,特にIgGがわずかに低値であることが原因である.最近は,血清蛋白分画検査が比較的簡単に行えるようになったので,A/G比は重要視されなくなった.
[関連する検査]
A/G比は血清蛋白分画の主要分画であるアルブミン分画とグロブリン分画の比である.
判読
セルロースアセテート膜電気泳動法による蛋白分画から算出したA/G比は高めとなる.これは色素吸着能がグロブリンよりもアルブミンのほうが良好であるためである.
採取保存
薬剤影響
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清総蛋白〔TP〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清アルブミン [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/硫酸亜鉛混濁試験〔ZTT〕
- 臨床検査データブック 2023-2024/アミノ酸 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/血中総分枝鎖アミノ酸/チロシンモル比〔BTR〕 [保] 283点
- 臨床検査データブック 2023-2024/Fischer比《フィッシャー比》 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/トランスフェリン〔Tf〕 [保] 60点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中トランスフェリン〔Tf〕《尿中マイクロトランスフェリン》 [保] 101点
- 臨床検査データブック 2023-2024/総鉄結合能〔TIBC〕,不飽和鉄結合能〔UIBC〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/グルコース-6-リン酸脱水素酵素〔G-6-PD〕 [保] 80点
- 臨床検査データブック 2023-2024/トリプシン《IRT》 [保] 189点
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清β2-ミクログロブリン〔血清β2-m,血清BMG〕《血清β2-マイクログロブリン》 [保] 101点
- 臨床検査データブック 2023-2024/アポ蛋白分画《アポリポ蛋白》 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/リポ蛋白分画 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/共用基準範囲(JCCLS)