基準値
・LD1:20.0~31.0%
・LD2:28.8~37.0%
・LD3:21.5~27.6%
・LD4:6.3~12.4%
・LD5:5.4~13.2%
測定法 アガロースゲル電気泳動法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 LD上昇の原因となる臓器・疾病の推定
NOTE *保険点数:48点,LDアイソザイム1型は95点
Decision Level
●LD1の上昇 悪性貧血
●LD1,2の著増 急性心筋梗塞,溶血性貧血
●LD2,3の上昇 白血病,筋ジストロフィー
●LD3,4,5の上昇 悪性腫瘍
●LD5の著増 急性肝炎や肝硬変などの肝障害
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
LDは体内のあらゆる臓器・組織に分布しているが,各臓器・組織ごとのアイソザイムのパターンは異なっている.それらの臓器・組織が傷害を受けるとLDが逸脱して血清LD活性が上昇する.疾患による特異性は低いことから,LDアイソザイム分画を行い傷害を受けた臓器を推定するところに臨床的意義がある.なお,LDに対する抗体とLDが結合することにより,分子量の大きいLD(LD結合免疫グロブリン)が出現することがある.この場合,電気泳動を行っても明瞭に分画されない.
[関連する検査]
同時にAST(GOT)を測定してLD/AST比をとり,高値(30以上)の場合は悪性腫瘍や溶血性疾患が疑われる.LD/AST比の上昇が中等度(10~30)の場合は感染症か肝臓以外の実質性の臓器障害が考えられ,また悪性腫瘍が存在する可能性もある.一方,LD/AST比が低い(10以下)場合は肝疾患が疑われる.
判読
①総活性との対比も判断する必要がある.②各アイソザイムにより血中半減期が異なるので,発症後の時間経過を考慮し判断する.③骨格筋では赤筋からの遊出が主なときはLD1,2が優位,白筋からの遊出が主な場合はLD5が優位となる.
採取保存
①採血,血清分離後,室
関連リンク
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