基準値 18~37mg/dL
測定法 ネフェロメトリー法
検体量 血清0.3mL
日数 2~4日
目的 Wilson病,Menkes病,無(低)セルロプラスミン血症の診断と鑑別診断
Decision Level
●高値(基準上限以上)
[高頻度]感染症,膠原病(関節リウマチ活動期など),悪性腫瘍,激しい運動,妊娠 [可能性]急性心筋梗塞,薬物(男性・女性ホルモン薬,フェニトイン),鉄欠乏性貧血,喫煙,乾癬,肺気腫,Duchenne型筋ジストロフィー,甲状腺中毒症 [対策]原疾患(特に感染症,膠原病,悪性腫瘍)の診断と治療.薬物使用歴,妊娠,喫煙,運動の有無.胸部X線,呼吸機能検査.皮膚所見.甲状腺機能検査
●低値(基準下限以下)
[高頻度]低栄養,肝硬変/肝細胞癌の一部,ネフローゼ症候群 [可能性]Wilson病,Menkes病(Menkes' kinky hair disease),蛋白漏出性胃腸症,吸収不良症候群,熱傷,新生児 [対策]神経所見,角膜輪,肝機能検査,毛髪異常,遺伝性の検討.血中・尿中銅測定,尿蛋白,アミノ酸測定,肝生検(銅定量を含む),肝炎ウイルスマーカーの検索.消化管検査.低栄養,慢性肝疾患の病歴
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
セルロプラスミンは肝細胞で合成される急性相蛋白質(急性相反応物質)の1つである.このため,炎症性サイトカインの産生が亢進する病態(感染症,膠原病,悪性腫瘍など)では合成が増加する.激しい運動,男性および女性ホルモンでも合成が増加する.
一方,Wilson病では,血清セルロプラスミンはきわめて低値であり,診断的意義がある.肝での遺伝子の転写率や,mRNA量の低下がみられ,合成が低下していると考えられる.Menkes病でも肝でのセルロプラスミン合成は低下している.ネフローゼ症候群,蛋白漏出性胃腸症,熱傷では喪失によって低値となる.「銅」の項参照→
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/銅〔Cu〕 [保] 23点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清尿酸〔UA〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿クレアチン [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/γ-GT(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)《γ-GTP》(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ) [小][保] 11点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/アルカリホスファターゼ〔ALP〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/アルカリホスファターゼ〔ALP〕アイソザイム [保] 48点
- 臨床検査データブック 2023-2024/グアナーゼ〔GU〕 [保] 35点
- 臨床検査データブック 2023-2024/コリンエステラーゼ〔ChE〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/α2-マクログロブリン [保] 138点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/HDL-コレステロール〔HDL-C〕 [保] 17点(包)