基準値 7.5U/L以下
測定法 CLIA法(リエゾン®TK)
検体量 血清0.5mL
日数
・院外検査:2~3日
・院内検査:1~2時間
目的 造血器腫瘍の診断,治療効果の判定
Decision Level
●著明高値
[高頻度]急性骨髄性白血病,急性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病の急性転化時 [可能性]悪性リンパ腫進行例,悪性腫瘍(乳癌,肺小細胞癌) [対策]白血球分画,骨髄穿刺,リンパ節生検,白血球表面マーカー,特殊染色,染色体検査,胸部X線など
●高値
[可能性]白血病再発時,悪性リンパ腫,乳癌,肺小細胞癌,悪性貧血,サイトメガロウイルス(CMV),EBウイルス(EBV)感染症(伝染性単核球症),G-CSF投与時 [対策]白血球分画,骨髄穿刺,リンパ節生検,白血球表面マーカー,特殊染色,染色体検査,ウイルス抗体検査,肝機能検査,胸部X線など
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本酵素はデオキシチミジンをリン酸化してデオキシチミジン一リン酸に変える反応を触媒する.この反応は,DNAの分解によって生じたデオキシチミジンを再利用する経路にあたり,増殖中の細胞で活性が高まる.
2つのアイソザイムがあり,血清中に検出されるのは細胞質に存在するサイトゾル型とされる.悪性腫瘍,ウイルス感染,妊婦などで血清中活性が高値となる.
[関連する検査]
白血病では白血球分画(芽球出現),骨髄穿刺,LDなど,リンパ腫ではリンパ節生検,LD,CRP,など,ウイルス感染症では白血球分画(異型リンパ球出現)の他,EBV,CMV,水痘,風疹,麻疹などの抗体価を測定する.
判読
EDTAおよびクエン酸ナトリウムは酵素活性に影響するため,検体は血清またはヘパリン採血血漿とする.
採取保存
①2~8℃で48時間.②-20℃で長期間.
推奨する総説
林原歳久ほか:血液疾患における血漿チミジンキナーゼ活性に関与する因子の検討.臨床と研究 6
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