基準値
・1-1型:130~327mg/dL(ネフェロメトリー)
・2-1型:103~341mg/dL(ネフェロメトリー)
・2-2型:41~273mg/dL(ネフェロメトリー)
・19~170mg/dL(免疫比濁法)
測定法 ネフェロメトリー,免疫比濁法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 溶血および肝合成能の指標
Decision Level
●10mg/dL以下(高度減少)
[高頻度]溶血性疾患(自己免疫性溶血性貧血,球状赤血球症,発作性夜間血色素尿症,血液型不適合輸血,マラリア),無効造血の亢進(巨赤芽球性貧血,サラセミア),肝疾患(急性肝炎,劇症肝炎,肝硬変),新生児期Crohn病 [可能性]先天性ハプトグロビン欠損症 [対策]溶血を疑うときは血算,ビリルビン分画,LDH,Ham(ハム)試験,末梢血塗抹標本での破砕赤血球の証明などを行う.肝障害を疑うときは肝機能検査,凝固系検査,肝生検,画像診断を行う
●10mg/dL~基準値下限(軽度減少)
[高頻度・可能性]「高度減少」の疾患,甲状腺機能亢進症,Sheehan症候群 [対策]「高度減少」と同様,原疾患の検索
●基準値上限以上(増加)
[高頻度・可能性]炎症性疾患(感染症,膠原病など),急性心筋梗塞,悪性腫瘍,統合失調症,Alzheimer病 [対策]原疾患の検索
●ハプトグロビン遺伝型と疾患(増加時)
Hp1-1型:白血病,アルコール性肝硬変
Hp2-1型:卵巣癌,急性心筋梗塞
Hp2-2型:本態性高血圧,全身性エリテマトーデス(SLE),高コレステロール血症(白人)
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
Hpはα2-グロブリン分画に属する蛋白で,ヘモグロビンと特異的に結合する.主として肝臓で産生され,その減少は異化の亢進または産生の低下によって生じる.血管内溶血があるとHp・ヘモグロビンの複合体が形成され,通常3~5日の半減期が10~
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