基準値 50ng/mL以下
測定法 LA法
検体量 血清0.4mL
日数 3~5日
目的 慢性肝疾患における肝線維化の程度の把握
Decision Level
●50~200ng/mL(増加)
[高頻度]慢性肝炎(活動性),アルコール性肝障害,肝硬変,原発性胆汁性肝硬変,全身性エリテマトーデス(SLE),関節リウマチ(非活動性),変形性関節症 [可能性]急性肝炎(急性期),慢性肝炎(非活動性) [対策]プロコラーゲンⅢペプチド(P-Ⅲ-P),Ⅳ型コラーゲン7Sなどの線維化マーカー,肝機能検査,超音波検査,肝生検,炎症マーカー
●200ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]肝硬変,関節リウマチ(活動性) [可能性]Werner症候群 [対策]線維化マーカー,肝機能検査,超音波検査,肝生検,炎症マーカー,関節X線
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
HAは細胞間質に多く,硝子体,関節液,皮膚,軟骨などに存在する酸性ムコ多糖類である.異化は肝類洞内皮細胞で行われる.
線維化のマーカーと考えられ,主に肝疾患で評価されている.肝の線維化が進むにつれて異化機能が低下するため血中濃度が上昇する.慢性肝疾患のインターフェロン治療における効果予測,C型慢性肝疾患における慢性肝炎と肝硬変の判別にも用いられる.関節リウマチのような慢性炎症性疾患では,炎症の修復過程において線維芽細胞が活性化するため活動性の判定にも用いられる.Werner症候群は先天性のHA代謝異常と考えられ,正常の10倍以上の増加がみられる.胸腹水中で著明高値を認めた場合は悪性中皮腫を鑑別に入れる.
[関連する検査]
①Ⅳ型コラーゲンは,肝疾患以外では糖尿病に伴う血管合併症や腎症,また肺線維症などにおいても進行度や治療効果の判定に有効とされる.②Ⅳ型コラーゲン7Sは肝線維化がある程度進行してから上昇し,組織学上の肝線維化の程度に最も相関するといわれて
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