基準値 0.3~0.8U/mL
測定法 IRMA法
検体量 血清0.3mL
日数 3~5日
目的 肝線維化の程度の把握
Decision Level
●0.8~1.8U/mL(軽度増加)
[高頻度]急性肝炎,慢性活動性肝炎,アルコール性肝障害,肝硬変,肝細胞癌,原発性胆汁性肝硬変 [可能性]肝線維症,肺線維症,骨髄線維症,関節リウマチ [対策]肝機能検査,他の線維化マーカー・腫瘍マーカーの測定,画像診断,肝生検
●1.8U/mL以上(高度増加)
[高頻度]肝硬変,肝細胞癌 [可能性]急性肝炎,甲状腺機能亢進症,慢性腎不全 [対策]「軽度増加」と同様
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
プロコラーゲンはコラーゲン合成過程における前駆体である.細胞内で合成されたプロコラーゲンは,細胞外で両端をエンドペプチダーゼにより切断されてコラーゲンとなる.P-Ⅲ-Pはこのとき切断されたN末端側のペプチドである.血中P-Ⅲ-Pは沈着したコラーゲン量を反映するのではなく,コラーゲン合成の指標と考えられる.
急性肝炎では急性期に上昇,回復期には漸減するが,持続性高値をとるときは慢性活動性肝炎への移行が考えられる.慢性肝炎では活動性と関連し,肝硬変に肝癌を合併するとP-Ⅲ-Pは著しく上昇する.肝以外の線維化でも上昇し,関節リウマチの活動性の判定にも用いられる.
[関連する検査]
①ヒアルロン酸(HA)は臨床的には肝硬変と非肝硬変の鑑別に有用性が高く,C型慢性活動性肝炎におけるIFN治療効果予測にも有用である.②Ⅳ型コラーゲンは肝疾患以外では糖尿病に伴う血管合併症や腎症,また肺線維症などにおいても,進行度や治療効果の判定に有効とされる.③Ⅳ型コラーゲン7Sは肝線維化がある程度進行してから上昇し,組織学上の肝線維化の程度に最も相関するといわれている.
判読
①乳児期は高値でその後漸減し,思春期に再び上昇する.20歳以上で一定の
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