基準値 30~70U/L
測定法 L-leucyl-p-nitroaniline基質法
検体量 血清0.6mL
日数 1~2日
目的 肝・胆道の閉塞状態の把握
Decision Level
●70~200U/L(増加)
[高頻度]胆石,胆嚢炎,急性肝炎,アルコール性肝障害,肝細胞癌,転移性肝癌 [可能性]慢性肝炎 [対策]ビリルビン分画・胆汁酸測定,胆道系酵素の測定,画像診断
●200U/L以上(高度増加)
[高頻度]肝細胞癌,転移性肝癌,胆石症による胆道閉塞,薬物性肝炎 [可能性]家族性高LAP血症 [対策]「増加」と同様,問診(薬剤使用歴)
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
LAPはペプチドのN末端を切ってロイシンまたは他のアミノ酸を遊離する酵素である.肝,腎,小腸,膵などに分布する.肝ではミクロソーム膜および胆汁分泌側の膜に活性をもつ.肝炎では細胞障害により逸脱することが考えられ,胆汁うっ滞や薬物性肝障害,アルコール性肝障害では酵素誘導により活性の上昇が認められる.
臨床的には主に肝・胆道などの閉塞状態を知るのに利用されている.ALPの高分子膜結合型ALP1の出現と相関し,上昇したLAPはALPと同じ血清中の膜成分に存在する.アイソザイムとして肝臓やリンパ球の細胞質に存在するLAPがあるが,測定時の基質をL-leucinamideに変更することにより測定できる.閉塞性胆道疾患の他,ウイルス感染症,白血病,悪性リンパ腫などで上昇する.
[関連する検査]
①血清ALPは肝,骨,胎盤,小腸に由来しており,臓器由来の異なるアイソザイムが存在し,このうちのALP1との相関がみられる.②肝のγ-GTPは肝細胞のミクロソーム分画や細胆管などに存在し,この上昇はALP,LAPなどの上昇とともに胆汁うっ滞を表す.アルコール性肝障害や薬剤性肝障害での上昇は,合成の誘導に起因する.
判読
①日内変動は認められない
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