基準値 73~130nmol/mL/時
測定法 自己基質法
検体量 血清1.5mL
日数 2~4日
目的 コレステロールエステル化能の評価
Decision Level
●15nmol/mL/時以下(高度減少)
[高頻度・可能性]LCAT欠損症,魚眼病,肝硬変末期 [対策]原疾患の治療,LCAT補充の必要があれば凍結血漿投与
●15~72nmol/mL/時(減少)
[高頻度・可能性]LCAT欠損症,魚眼病,アポ蛋白A-Ⅰ異常症,無βリポ蛋白血症,低βリポ蛋白血症,肝硬変,慢性肝炎,急性肝炎極期,閉塞性黄疸,甲状腺機能低下症,心筋梗塞,吸収不良症候群 [対策]原疾患の治療,LCAT補充の必要があれば凍結血漿投与
●131nmol/mL/時(増加)
[高頻度・可能性]原発性高リポ蛋白血症,肥満,糖尿病,ネフローゼ症候群,脂肪肝,妊娠,プレドニン投与 [対策]原疾患の治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
LCATはレシチンの脂肪酸を遊離コレステロールに転送し,コレステロールエステルを生成する酵素である.LCATは肝臓でのみ合成される蛋白であるため,肝臓での蛋白合成能を敏感に反映する.本酵素が低下すると血清コレステロールエステル比が低下するが,軽度の活性低下ではコレステロールエステル比は正常を保っていることも多い.
先天的なLCAT遺伝子異常(LCAT欠損症,魚眼病)では酵素活性の低下が認められる.またLCAT活性の発現にはアポ蛋白A-Ⅰが必要であり,アポ蛋白A-Ⅰ異常症でも活性低下が認められる.
LCATは主として高比重リポ蛋白(HDL)上で遊離コレステロールをコレステロールエステルに転換しているため,LCAT活性低下によりHDLの成熟障害が出現し原始型のHDLが血中に出現する.成熟したHDLは組織のコレステロールを肝臓に戻す役割を担っているため,LCAT活性の低下により,組織へのコレステロール沈着
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