診療支援
検査

血漿浸透圧〔Posm〕   15点
plasma osmolality
安田 隆
(吉祥寺あさひ病院副院長)

基準値

・275~290mOsm/kgH2O

・浸透圧の単位の記載法には2通りある.1つはOsmolality(重量オスモル;オスモラル)で溶媒の単位質量(kg)当たりの粒子数を示し,溶媒が水であればmOsm/kgH2Oと記載される.もう1つはOsmolarity(容量オスモル;オスモラー)で溶液の単位容量(L)当たりの粒子数を示し,mOsm/Lと記載される.検査室では凝固点降下法によってmOsm/kgH2Oで測定されている.臨床上,両者は同等と考えてよい


測定法 氷点降下法(凝固点降下法)


検体量 血清または血漿1mL


日数 0~1日(院内に測定機器があれば直ちに結果が得られる)


目的 低Na血症や高血糖をはじめとした浸透圧異常をきたす疾患や中毒,薬物などによる浸透圧物質蓄積をきたす病態の鑑別


Decision Level

●295mOsm/kgH2O以上(上昇)

[高頻度]糖尿病性高浸透圧性昏睡,糖尿病,高Na血症,高尿素窒素血症 [可能性]メタノール,エタノール,イソプロパノール,エチレングリコール,グリセロール,マンニトール,造影剤,グリシン [対策]それぞれの治療法に準じる

●275mOsm/kgH2O以下(低下=低張性低Na血症)

[高頻度]ADH不適切分泌症候群(SIADH),副腎不全,腎不全,うっ血性心不全,肝硬変,心因性多飲,薬剤(サイアザイド,ループ利尿薬),下痢やサードスペースへの移動による細胞外液量減少 [可能性]溶質摂取不足(beer potomaniaなど),甲状腺機能低下症,塩類喪失性腎症(種々の原因による尿細管障害),中枢性塩類喪失症候群,鉱質コルチコイド反応性低Na血症(mineralocorticoid-responsive hyponatremia of the elderly;MRHE) [対策]低張性低Na血症の原因別治療に準じる


異常値のでるメカニズムと

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