診療支援
検査

ベースエクセス〔BE〕   135点
base excess
小泉 賢洋
(東海大学講師・腎内分泌代謝内科)
深川 雅史
(東海大学教授・腎内分泌代謝内科学)

基準値 0±2mEq/L


測定法 同時に測定したpHとPaCO2の値より,血漿HCO3-濃度とともに計算される


検体量 動脈血1mL


日数 即時(測定機器が院内に必要)


目的 酸塩基平衡異常の診断


NOTE‍ 保険点数:135点(血液ガス分析)


Decision Level

 BEは酸塩基平衡における代謝性因子を示す指標であり,高値であれば代謝性アルカローシスの,低値であれば代謝性アシドーシスの存在を示唆する.ただし,病態生理を十分に理解したうえでpHやPaCO2とともに解釈することが重要である.

●2mEq/L以上(上昇)

[高頻度]代謝性アルカローシス(表74)〔Hの喪失(嘔吐,利尿薬の使用,原発性アルドステロン症,低K血症),HCO3の増加(炭酸水素ナトリウムの投与,大量輸血,高度の脱水,ミルク-アルカリ症候群)〕 [可能性]呼吸性アシドーシスへの代償性反応 [対策]原因疾患に対する加療,アセタゾラミドや生理食塩液・アミノ酸製剤の投与,代償性反応については基本的に経過観察

●-2mEq/L以下(低下)

[高頻度]代謝性アシドーシス(表75)〔HCO3の喪失(下痢,尿管S状結腸吻合,アセタゾラミドの投与),腎尿細管でのH分泌障害(近位および遠位尿細管アシドーシス),不揮発性酸の産生過剰と蓄積(乳酸性アシドーシス,ケトアシドーシス,尿毒症,メチルアルコールやエチレングリコールなどの薬剤)〕 [可能性]呼吸性アルカローシスへの代償性反応 [対策]原因疾患に対する加療,炭酸水素ナトリウムの投与,代償性反応については基本的に経過観察


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 BEの定義は,1Lの血液を37℃の環境下でPaCO240mmHgを保ちながら強酸を加えるとき,pHを7.40にするために必要な酸の量であり,酸塩基平衡における代謝性因子の過不足を示す.実測値ではなくアルゴリズムに基づいて算

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