基準値
●血清総ビタミンB6
・4~17ng/mL(23.6~100.5nmol/L)〔ピリドキシン(PN)換算〕
・6~25ng/mL〔ピリドキサールリン酸(PLP)換算〕
●血清PLP 5~30ng/mL(20~121nmol/L)
測定法 HPLC
検体量 血清1mL
日数 3~5日
目的 ビタミンB6栄養状態の判定
Decision Level
●血清総ビタミンB6:4ng/mL未満(低値)
[高頻度]ビタミンB6欠乏症 [可能性]低栄養,吸収不良症候群,アルコール依存症,尿毒症,腎透析,気管支喘息,手根管症候群,ヒドラジン化合物中毒,妊婦,産褥糖尿病,妊娠高血圧症候群,エストロゲン投与(経口避妊薬) [対策]ピリドキシン塩酸塩経口投与
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
生体内にはビタミンB6としての生物活性をもつPN,ピリドキサール(PL),ピリドキサミン(PM),ピリドキシンリン酸(PNP),PLP,ピリドキサミンリン酸(PMP)の6型および生物活性をもたない4-ピリドキシン酸(PIC)が存在するが,血中では血清,全血とも主成分はPLPである.
植物性食品のビタミンB6はPNが多く,腸から吸収されるとPNPを経て速やかにPLPになる.動物性食品にはPLPが多く,いったん加水分解されてPLの形で吸収され,再びPLPとなって血中に移行する.尿中の主な代謝物質は肝臓でPLから生成されるPICである.
ビタミンB6欠乏では血清総ビタミンB6濃度,尿中PICは減少する.また赤血球AST活性は低下し,PLP効果(試験管内でPLPを加えた際の同活性上昇率)は上昇するので,ビタミンB6栄養状態のスクリーニングに用いられる.特にPLP効果はビタミンB6欠乏の初期に上昇し,特異性も高い.ビタミンB6利用障害の判定にはビタミンB6負荷試験が用いられる.
ビタミンB6の必要量は蛋白摂取量g当たり0.014m
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