基準値 5~12μg/dL
測定法 ECLIA,RIA(固相法),EIA,CLEIA
検体量 血清0.2mL
日数 1~3日
目的 甲状腺機能亢進症および低下症の診断
Decision Level
●20μg/dL以上(高度増加)
[高頻度]Basedow病による甲状腺機能亢進症 [可能性]甲状腺ホルモン不応症 [対策]甲状腺クリーゼに移行するおそれがあるため,速やかに治療を開始する
●12~20μg/dL(軽度~中等度増加)
[高頻度]軽症のBasedow病,亜急性甲状腺炎,無痛性甲状腺炎,甲状腺ホルモン製剤過剰内服,正常妊婦 [可能性]甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生下垂体腺腫,家族性異常アルブミン性高T4血症,甲状腺ホルモン不応症,うつ病,慢性活動性肝炎,悪性絨毛上皮腫 [対策]血中遊離T4(FT4),TSHとTSHレセプター抗体を測定する
●3~5μg/dL(軽度減少)
[高頻度]慢性甲状腺炎(橋本病)に伴う甲状腺機能低下症,euthyroid sick症候群,低蛋白血症,肝硬変症 [可能性]亜急性甲状腺炎および無痛性甲状腺炎の回復期,遺伝性サイロキシン結合グロブリン(TBG)減少症 [対策]診断を確定させるため,血中FT4,TSHおよび抗サイログロブリン抗体と抗ミクロソーム抗体(抗TPO抗体)を測定する
●3μg/dL未満(高度減少)
[高頻度]慢性甲状腺炎に伴う甲状腺機能低下症,下垂体性(中枢性)甲状腺機能低下症,甲状腺全摘術後 [可能性]遺伝性TBG完全欠損症 [対策]粘液水腫性昏睡に陥らないよう,速やかにホルモン補充を開始する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
甲状腺ホルモンは血中ではTBG,プレアルブミン,アルブミンの主要な3種の結合蛋白と結合して,体内を運搬されている.したがって,甲状腺からのホルモン産生が異常亢進しているときは,当然高値を示すが,それ以外にも,結合蛋白の血中レベ
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