基準値 30%未満
測定法 バイオアッセイRIA法(培養甲状腺細胞のcAMP量測定)
検体量 血清1mL
日数 14~21日
目的 ブロッキング抗体による甲状腺機能低下症の診断
Decision Level
●70%以上(高度増加)
[高頻度]慢性萎縮性甲状腺炎(粘液水腫)に伴う甲状腺機能低下症の一部 [可能性]甲状腺腫大を示す慢性甲状腺炎(橋本病)に伴う甲状腺機能低下症 [対策]さらにTSHレセプター抗体(TRAb)と甲状腺刺激抗体(TSAb)を測定して診断を確立する
●30~70%(軽度~中等度増加)
[高頻度]慢性萎縮性甲状腺炎(粘液水腫)に伴う甲状腺機能低下症の一部 [可能性]甲状腺機能低下を呈する甲状腺腫大型慢性甲状腺炎,euthyroid Graves病,無痛性甲状腺炎の機能低下時期 [対策]さらにTRAbとTSAbを測定して診断を確立する
●30%未満(基準値)
[可能性]慢性甲状腺炎(橋本病),単純性甲状腺腫,甲状腺良性腺腫,甲状腺癌,腺腫様甲状腺腫,Basedow病,euthyroid Graves病,無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎,医原性甲状腺中毒症,TSH産生下垂体腺腫,甲状腺ホルモン不応症 [対策]さらにTRAbとTSAbを測定し,総合的に診断する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
TRAb測定がラジオレセプターアッセイであるのに対し,本測定は培養甲状腺細胞を用いている.このため,もしTRAbが甲状腺阻害型IgGである場合,きわめて明確に異常値となって示される.また,in vitroでの動きをよりよく反映していると考えられることも有利な点である.
もし被検血清がTSBAbの他にTSAbも含んでいる場合,本来のTSBAb活性が影響されて,基準値に近い方向へシフトする.したがって,実際にはTSBAbを有しているにもかかわらず本測定法で陰性を示す例も存在するので注意を要する.
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