基準値 判定法をDecision Levelの項に記す
測定法
・尿中cAMP排泄反応:RIA
・尿中リン(P)排泄反応:リンモリブデン酸法
検体量
・尿中cAMP排泄反応:トルエン加蓄尿1mL
・尿中P排泄反応:尿1mL
日数
・尿中cAMP排泄反応:4~10日
・尿中P排泄反応:3~5日
目的 PTH作用異常の診断と評価
Decision Level
●試験方法(図63図参照)
●判定(表87図参照)
・尿中cAMP排泄量:U4-U3≧1μmol/時間,またはU4/U3≧10で反応あり
・尿中P排泄量:(U4+U5)-(U2+U3)≧35mg/2時間で反応あり
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
この試験は外因性にヒト副甲状腺ホルモン(PTH1-34)を投与し,腎でのPTHの生物活性をみる検査で,その結果は腎のPTH受容体以降の機能を反映する.したがって,PTH受容体以降の異常である偽性副甲状腺機能低下症の診断とその病型の分類には必須であるが,検査の前提として低Ca,高P血症などの副甲状腺機能低下の診断が確定していなければならない.
PTH不足性副甲状腺機能低下症では,PTH投与により尿中cAMPやPの排泄量は増加するが,偽性副甲状腺機能低下症のⅠ型では尿中cAMPとPの排泄量はともに反応せず,Ⅱ型ではPの排泄量のみ反応しない.障害がcAMP産生以前か以降かの違いによると考えられている.Ⅰ型にはG蛋白(Gsα)の異常またはG蛋白のインプリンティング異常によってⅠa,Ⅰbの亜型が知られている.
[関連する検査]
本検査を実施する前に,血中intact-PTH,Ca,Pを測定する.特に,intact-PTHが30pg/mL以上の高値で,低Ca,高P血症,すなわち偽性副甲状腺機能低下症が疑われる場合には,病型鑑別のため本検査を行う.
判読
尿中P反応の判定には以下の条件を満たすことが必要である.①検査時に低Ca
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