基準値
・蓄尿:1.8~6.3μmol/日
・血漿:11~21nmol/L
測定法 RIA(DCC法)
検体量
・蓄尿:2mL
・血漿:0.3mL
日数 5~7日
目的 ①Ellsworth-Howard試験での判定,②悪性腫瘍に伴う高Ca血症の診断
Decision Level
●蓄尿:20μmol/日以上(高度増加)
[高頻度]悪性腫瘍に伴う高Ca血症,特に骨転移を伴わず,副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)産生性の悪性腫瘍 [可能性]原発性副甲状腺機能亢進症,腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症 [対策]悪性腫瘍の検索を行う
●蓄尿:6.3~20μmol/日(軽度増加)
[高頻度]原発性副甲状腺機能亢進症,腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍に伴う高Ca血症 [可能性]骨軟化症,くる病,副腎皮質ホルモン製剤内服中,甲状腺機能亢進症,SIADH [対策]悪性腫瘍の検索を行う
●1.8μmol/日未満(減少)
[可能性]ビタミンD中毒症,特発性副甲状腺機能低下症,術後性副甲状腺機能低下症,偽性副甲状腺機能低下症,骨転移を伴う悪性腫瘍 [対策]血中Ca,P,intact-PTHなどを測定して,総合的に判定する
■Ellsworth-Howard試験での判定
ヒトPTH注射前後1時間の尿中cAMPの絶対値の差および比を算出し,また前後2時間の尿中P排出量の絶対値の差を算出する.ΔcAMP値の差が1μmol以上,cAMP比10倍以上を反応ありとする.リン酸については,ΔP値の差が35mg以上を反応ありと判定する.
●陽性
[高頻度]特発性副甲状腺機能低下症,健常者 [可能性]偽性副甲状腺機能低下症Ⅱ型,偽性偽性副甲状腺機能低下症 [対策]原疾患の診断と治療
●陰性
[高頻度]偽性副甲状腺機能低下症Ⅰ型
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
cAMPは,細胞内情報伝達系のセカンドメッセンジャーとして,さまざまな
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