診療支援
検査

カテコールアミン〔CA〕  
catecholamine
飯高 誠
(医療法人社団甲誠会飯髙医院理事長)
片山 茂裕
(埼玉医科大学かわごえクリニック客員教授)

基準値

●血中

・アドレナリン(A):100pg/mL以下

・ノルアドレナリン(NA):100~450pg/mL

・ドーパミン(DA):20pg/mL以下

●尿中

・A:3.4~26.9μg/日

・NA:48.6~168.4μg/日

・DA:365.0~961.5μg/日


測定法 HPLC


検体量

・血漿1.5mL

・尿3mL


日数 3~5日


目的 CA産生腫瘍の診断


NOTE‍ 保険点数:①165点(包)(カテコールアミン分画).②189点(包)〔(総)カテコールアミン〕.


Decision Level

■尿中CA

●A27μg/日以上

●NA168.5μg/日以上(高値)

[高頻度]褐色細胞腫,神経芽腫 [可能性]本態性高血圧症,腎性高血圧症,悪性高血圧症,甲状腺機能低下症,うっ血性心不全,狭心症,肝炎,肝硬変,十二指腸潰瘍,糖尿病,うつ病,Parkinson症候群,ストレス時 [対策]CT,123I-MIBGなどによる局在診断

●A3.4~26.9μg/日

●NA48.6~168.4μg/日(基準範囲)

[可能性]褐色細胞腫,神経芽腫 [対策]再検およびメタネフリン,ノルメタネフリン,バニリルマンデル酸(VMA),ホモバニリン酸(HVA)の測定.可能性が高ければ,CT,123I-MIBGなどによる局在診断

●A3.3μg/日以下

●NA48.5μg/日以下(低値)

[可能性]家族性自律神経失調症,特発性起立性低血圧症 [対策]神経内科的検査による診断と治療


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CAは,DA,NA,Aの総称で,主に交感神経,副腎髄質,脳などに分布し,NAは交感神経伝達物質として,Aは副腎髄質ホルモンとして重要である.またDAは,NAの前駆物質であるとともに,それ自体が中枢神経,腎,循環器,消化器系に対して特有の作用を有しているが,その測定値自体は臨床的にあまり有用ではない.血中,尿中CAの低値は,実際上あ

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