基準値
・ラテックス凝集免疫比濁法(LIA法)(定量):1.6μg/mL以下
・赤色ラテックス着色法(定性):陰性
測定法 ラテックス凝集免疫比濁法(LIA法)(定量),赤色ラテックス着色法(定性)
検体量 子宮頸管粘液を専用綿棒で採取
日数 2~4日
目的 頸管炎,腟炎,切迫流産のスクリーニング
NOTE *保険点数:100点(定性),119点(定量)
Decision Level
●高値(1.6μg/mL以上)
[高頻度]絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis;CAM) [可能性]頸管炎,腟炎,切迫流産 [対策]陽性の場合,抗菌薬で治療し週1回本検査を行う.切迫流産を疑う場合は頸管粘液中癌胎児性フィブロネクチンを測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
炎症部に遊走する顆粒球が放出する分子量約30,000の中性プロテアーゼであり,子宮頸管炎や腟炎では頸管粘液中に増加する.妊婦では炎症が上行波及してCAMを発症させて切迫流産,前期破水,早産などの原因となるので,妊娠中の頸管炎や腟炎を早期診断することは重要であるが,本法での診断効率は,感度55%,特異度94%,正診率80%という.
また,反応の強さは炎症の程度によって変化し,治療のモニターにも有効という.
頸管無力症や習慣流産の治療法として行われる頸管縫縮術が考慮されるが,細菌性腟炎がなく,子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼが陰性を確認できた妊娠16週0日~26週6日で子宮頸管長が25.0mm以下の妊婦に対して,頸管縫縮術のShirodkar法を実施した場合,切迫早産管理を減少させるという限定的な結果が,本邦の医師主導ランダム化比較試験で示されている.
[感度・特異度]
頸管炎・腟炎の診断における感度55%,特異度94%,正診率80%と報告されている.
[見逃してはならない異常値]
分泌物の増量,規則的な子宮収縮,内診による頸管の早期熟
関連リンク
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