基準値 4.5ng/mL未満
測定法 ECLIA法
検体量 血清0.5mL
日数 3~5日
目的 骨粗鬆症におけるビタミンK2剤の選択時およびビタミンK2剤の効果判定の補助的指標
Decision Level
●5.5ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]骨折発生リスクの増加 [可能性]腎不全,骨折後 [対策]ビタミンK2剤投与開始をより考慮する
●4.5~5.5ng/mL(軽度~中等度増加)
[高頻度]骨におけるビタミンKの不足 [可能性]腎不全,骨折後 [対策]骨におけるビタミンK不足改善のため,納豆などのビタミンK含有食品の摂取を増加させ,ビタミンK2剤投与開始を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
オステオカルシン(OC)が骨基質でハイドロキシアパタイトに結合して機能するためには,ビタミンKの作用で3部位のうち少なくとも2部位のグルタミン酸残基がγ-カルボキシグルタミン酸残基に変換(Gla化)される必要がある.ビタミンK欠乏状態ではOCはGla化されず低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)として血中に放出され,高値となる.ビタミンK2(メナテトレノン)45mg/日の投薬により血清ucOC値は2カ月後より有意に低下し,効果判定の補助的指標としても有用である.高齢女性で新規骨折発生までの期間がucOCが5.5ng/mL以上の例では有意に短期となり,高齢女性でucOCの高値が大腿骨近位部骨折リスクの増加と関連する.PIVKA-Ⅱでは評価できない,骨でのビタミンK不足状態を評価できる.ucOCと身体機能,糖代謝や心血管リスクとの関連を示唆するデータが報告されているが,結論はでていない.
骨粗鬆症治療薬としてビタミンK2による治療を考慮するときや骨折リスクにビタミンK不足が関与することを疑うときに使用し,カットオフ値(4.5ng/mL)以上であれば治療を考慮する.
[関連する検査]
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