基準値 125pg/mL未満
パニック値 8,000pg/mL以上
パニック値とその原因病態・危険病態表
測定法 電気化学発光免疫測定法
検体量 血清または血漿0.02mL
日数 1~3日
目的 心不全の診断と重症度の判定
Decision Level
●125pg/mL未満
[可能性]心不全の可能性は低い
●125~400pg/mL
[可能性]心不全の可能性は高くないが否定はできない
●400~900pg/mL
[可能性]心不全の可能性がある
●900pg/mL以上
[高頻度・可能性]心不全の可能性が高い
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は,前駆体ホルモンであるproBNPより合成される心臓ホルモンである.心筋細胞に対するストレス(左室拡張期圧上昇,左室拡張期容積増大,左室肥大,壁運動異常,心筋虚血など)によりproBNPの生合成は急速に亢進し,蛋白分解酵素の作用により生理活性のない脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体Nフラグメント〔NT-proBNP(1-76)〕と生理活性を有する同ペプチドBNP(BNP77-108)に分解され,循環血液中に放出される.したがって,健常者のNT-proBNPおよびBNP濃度は低値であるが,慢性および急性心不全患者では重症度に応じて著明に変動することから,NT-proBNPおよびBNP濃度は心不全の病態把握に有用である.したがって,NT-proBNPはBNPと同様の心不全診断に有用であるが,BNPの血中半減期が約20分であるのに対し,NT-proBNPでは血中半減期が120分であること,BNPと異なりNT-proBNPでは血清での測定が可能であり,他の生化学検査と同時に測定できること,冷蔵,室温で安定するため追加検体や保存検体の測定が可能であることなどが利点である.
[感度・特異度]
PRIDE研究では,NT-proBNP 300pg
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