診療支援
検査

血球計数 白血球数〔WBC〕  パニ 21点
★★★
white blood cell count
伊豆津 宏二
(国立がん研究センター中央病院・血液腫瘍科長)

基準値 4,000~8,000/μL(静脈血)

共用基準範囲 3.3~8.6×103/μL


パニック値 1,500/μL以下,20,000/μL以上

パニック値とその原因病態・危険病態


測定法 自動血球計数器,視算法


検体量 血液2mL(抗凝固剤はEDTA)


日数 1日


目的 感染症を含む炎症や血液疾患の診断と経過観察


Decision Level

 WBCの異常を認めた場合,必ず白血球分類を行い,増加あるいは減少している白血球の種類を同定する.増加あるいは減少している白血球の種類が明らかになれば,診断の幅がより狭くなる.以下に,WBCの増減をきたす疾患をあげるが,WBCのみでは確定診断は困難である

●30,000/μL以上(高度増加)

[高頻度]白血病,骨髄増殖性疾患,重篤な感染症(粟粒結核,敗血症),悪性腫瘍の全身散布転移 [対策]骨髄検査などによる原因検索とそれに対する治療を行う

NOTE 骨髄増殖性疾患には,慢性骨髄性白血病,真性多血症,本態性血小板血症,骨髄線維症などが含まれる

●10,000~30,000/μL(軽度~中等度増加)

[高頻度]感染症(細菌,ウイルス),自己免疫性疾患(リウマチ熱,膠原病など),物理的ストレス(寒冷,出血など),心理的ストレス,重症の代謝異常(腎・肝不全など),薬物中毒,白血病,骨髄増殖性疾患,脾摘,妊娠,ステロイド剤の影響,喫煙 [対策] 骨髄検査などによる原因検索とそれに対する治療を行う

●1,000~3,000/μL(軽度~中等度減少)

[高頻度]ウイルス感染症,薬剤アレルギー(サルファ剤,抗菌薬,解熱剤,抗痙攣薬,抗甲状腺薬)・薬剤性無顆粒球症,再生不良性貧血,骨髄異形成症候群,急性白血病,ビタミンB12欠乏性貧血,骨髄線維症,抗癌剤の投与,放射線照射,癌の骨髄転移,脾機能亢進症(肝硬変,特発性門脈圧亢進症など),腸チフス [対策]骨髄検査を含む原因検索

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