基準値 陰性
測定法 PCR-キャピラリー電気泳動法
検体量
・骨髄液:1mL
・血液:3mL
日数 4~8日
目的 FLT3阻害薬の適応判断を目的としたFLT3遺伝子変異の評価
Decision Level
●ITD signal ratioまたはTKD signal ratio 0.05以上
[高頻度]FLT3変異〔internal tandem duplication (ITD)変異またはtyrosine kinase domain(TKD)変異〕陽性急性骨髄性白血病
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
急性骨髄性白血病の約1/3の患者でFLT3遺伝子の変異が認められる.代表的なものがITD変異で,より頻度の少ない変異にTKD変異がある.いずれも機能獲得型変異で,FLT3の恒常的活性化により白血病細胞の増殖に寄与する.FLT3-ITD変異は初発急性骨髄性白血病の予後不良因子であるが,その程度は変異型と野生型のアリル比により影響される.FLT3阻害薬としてギルテリチニブとキザルチニブが臨床応用されており,ギルテリチニブはタイプⅠ阻害薬(ITDとTKDに有効),キザルチニブはタイプⅡ阻害薬(ITDのみに有効)である.これらの薬剤は現時点でFLT3遺伝子変異陽性の再発・難治性急性骨髄性白血病が対象で,コンパニオン診断として本検査ではITDとTKDを評価することが必要である.
[関連する検査]
FLT3阻害薬のコンパニオン診断としてのFLT3遺伝子変異検査の他に,未治療急性骨髄性白血病での予後予測を目的としたFLT3/ITD変異解析検査がある.
採取保存
骨髄液はヘパリンを使用しないシリンジを用いて吸引し,容器に入れた後,速やかに転倒混和する.シリンジ内でヘパリンを混入させない.
保険注意
①本検査,悪性腫瘍組織検査の悪性腫瘍遺伝子検査,造血器腫瘍遺伝子検査,免疫関連遺伝子再構成またはJAK2遺伝子検査
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