基準値 200~400mg/dL
測定法 Clauss法
検体量 血漿0.4mL(クエン酸加)
日数 即日
目的 出血,血栓,DIC,感染症,悪性腫瘍,重症肝障害,炎症,膠原病などの病態把握
Decision Level
●100mg/dL以下(高度減少)
[高頻度]DIC,急性肝不全,非代償性肝硬変 [可能性]無フィブリノゲン血症,低フィブリノゲン血症,異常フィブリノゲン血症,L-アスパラギナーゼ投与,バトロキソビン投与 [対策]原疾患の診断と治療.フィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP),トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT),プラスミン・α2-プラスミンインヒビター複合体(PPIC),血小板数,プロトロンビン時間(PT)などの測定.血漿輸注の考慮
●100~200mg/dL(減少)
[高頻度]DIC,肝硬変,肝癌 [可能性]急性肝炎,ウロキナーゼ投与,組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)投与,L-アスパラギナーゼ投与,バトロキソビン投与,Kasabach-Merritt症候群,異常フィブリノゲン血症 [対策]原疾患の診断と治療,予想外に低値を示した際には抗ヒトフィブリノゲン抗血清を用いた免疫法で再検する
●400~700mg/dL(増加)
[高頻度]感染症,悪性腫瘍,血栓症 [可能性]膠原病,閉塞性黄疸,ネフローゼ症候群,経口避妊薬 [対策]原疾患の治療
●700mg/dL以上(高度増加)
[高頻度・可能性]感染症,悪性腫瘍 [対策]原疾患の治療.血栓傾向にはバトロキソビン投与も考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
フィブリノゲン(第Ⅰ因子)は肝で合成され(遺伝子は第4染色体に存在),分子量約34万で約80%が血中,残りは組織中に存在し,血中半減期は3~4日である.
フィブリノゲン分子はAα鎖,Bβ鎖,γ鎖がN末端C末端を同方向にして並び互いにS-S結合し,さらに2つの(
関連リンク
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- 新臨床内科学 第10版/【1】凝固関連データの読み方
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