基準値 60~130%
測定法 凝固時間法
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~6日
目的 ①第Ⅱ因子欠乏の診断,②ビタミンK欠乏症の診断
Decision Level
●25~60%(低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏症(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),肝硬変,肝癌,DIC [可能性]L-アスパラギナーゼ投与 [対策]プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),ヘパプラスチンテスト(HPT),トロンボテスト(TT),PIVKAの測定
●25%以下(高度低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏,非代償性肝硬変,劇症肝炎,DIC [可能性]プロトロンビン欠乏症 [対策]DIC存否の確認.原疾患の診断と治療.ビタミンK投与.血漿輸注の必要性の考慮
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
第Ⅱ因子(プロトロンビン)は肝で産生されるビタミンK依存性因子であり,血中半減期は3~4日である.遺伝子は第11染色体にある.分子量約72,000で血中に約10μg/mL存在する.プロトロンビナーゼ(活性第Ⅹ因子,Caイオン,活性第Ⅴ因子,リン脂質の複合体)上で第Ⅹ因子によりトロンビンに活性化する.プロトロンビン,第Ⅹ因子はビタミンK依存性であり,そのN末端側にリン脂質に親和性の高いγ-カルボキシグルタミン酸残基を有するため,活性化血小板の膜表面にあるリン脂質に結合して爆発的な凝固の場を形成する.
遺伝性プロトロンビン欠乏症(常染色体潜性遺伝)はわが国ではきわめてまれで,世界でも30例未満しか報告がない.
欧米白人にはプロトロンビン非翻訳領域の異常(G20210A)が人口の数%存在する.この異常によりmRNAの安定性が増加するために血中プロトロンビン量が多くなり血栓症のリスクとなることが注目されている.
PT,APTT,HPTの
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/ヘパプラスチンテスト〔HPT〕
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