診療支援
検査

凝固因子活性検査 第Ⅶ因子   223点(包)
factor Ⅶ
橋口 照人
(鹿児島大学大学院教授・血管代謝病態解析学分野)

基準値 65~135%


測定法 凝固時間法,ELISA


検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)


日数 2~8日


目的 ビタミンK依存性第Ⅶ因子欠乏症の診断


Decision Level

●25~65%(低下)

[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏症(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,長期経静脈栄養,腸管瘻,抗菌薬長期投与),肝硬変,肝不全,DIC [可能性]体質性黄疸 [対策]プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),ヘパプラスチンテスト(HPT),トロンボテスト(TT),PIVKA測定,ビタミンK投与の考慮

●25%以下(高度低下)

[高頻度]劇症肝炎,ワルファリン投与,ビタミンK欠乏症,非代償性肝硬変,DIC [可能性]第Ⅶ因子欠乏症 [対策]PT,APTT,HPT,TT,PIVKAの測定,DIC存在の確認,ビタミンKの投与,原疾患の診断と治療


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 第Ⅶ因子は肝で産生されるビタミンK依存性因子である.分子量約50,000で血中濃度は0.1μg/mL以下である.遺伝子は第13染色体にある.血中半減期は約3~5時間と,ビタミンK依存性因子のなかでプロテインCとともに最も短い.第Ⅶ因子(FⅦ)は血中に出現した組織因子(TF)と複合体(TF・FⅦ)を形成する.主として活性化第Ⅹ因子により(活性第Ⅸ因子やトロンビンによって弱いながら)活性化されてTF・FⅦa複合体になる.TF・FⅦa複合体はCaイオン,リン脂質存在下に第Ⅸ因子を活性化し,続いて第Ⅸa因子・第Ⅷa因子複合体が第Ⅹ因子を活性化する.

 一方,TF・FⅦa複合体は組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor;TFPI)により失活し,凝固が制御される.

 遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤はインヒビターを有する血友病A,Bの

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