基準値 60~130%
測定法 凝固法,合成基質法
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~4日
目的 ①血友病Aの診断,②von Willebrand病の補助診断
Decision Level
●25~60%(低下)
[高頻度]DIC [可能性]血友病A保因者,von Willebrand病,後天性血友病 [対策]クロスミキシング試験,プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),von Willebrand因子(VWF)活性の測定,インヒビターの測定
●25%未満(高度低下)
[高頻度]DIC [可能性]血友病A,3型のvon Willebrand病,インヒビター [対策]クロスミキシング試験,PT,APTT,VWF活性の測定,インヒビターの測定,出血時間の測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
第Ⅷ因子(分子量約33万)の血中濃度は100ng/mLと微量で,血中半減期は約12時間である.肝臓で生成された第Ⅷ因子は単独ではすぐ分解されてしまうため,血中ではVWFと複合体を形成して存在する.したがってVWFにより産生,活性,クリアランスが調整される.
第Ⅷ因子は補助因子としてリン脂質,Caイオン,活性第Ⅸ因子と複合体を作り第Ⅹ因子を活性化する.活性化第Ⅷ因子は活性化プロテインCの作用でN末端H鎖Arg336の開裂により失活する.
第Ⅷ因子欠乏症(血友病A)はX連鎖性潜性遺伝形式をとり,出生男子約6,000人に1人みられる.遺伝子はX染色体に存在する.第Ⅷ因子の遺伝子異常は欠失や点変異,挿入,逆位など多岐にわたるが,イントロン22の逆位は重症型の約40%にみられる.女性血友病は通常,男性患者と女性保因者の間に生まれたホモ接合体であるが,保因者であっても正常X染色体が著しく不活化(extreme lyonization)されて血友病を発症する例もある.出血
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅴ因子《不安定因子》 [保] 223点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 von Willebrand因子〔VWF〕 [保]*
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅺ因子 [保] 223点(包)
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