基準値
・凝固法:70~130%
・合成基質法:105±38%
測定法 凝固法,合成基質法
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~8日
目的 第Ⅹ因子欠乏症の診断
Decision Level
●25~70%(低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),肝硬変 [可能性]DIC,アミロイドーシス,L-アスパラギナーゼ投与 [対策]プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),ヘパプラスチンテスト(HPT),トロンボテスト(TT)の測定
●25%以下(高度低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏症,非代償性肝硬変 [可能性]第Ⅹ因子欠乏症,アミロイドーシス [対策]PT,APTT,HPT,TTの測定,ビタミンK投与,凝固因子補充の考慮
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
第Ⅹ因子は肝で産生されるビタミンK依存性因子であり分子量は約59,000,血中濃度は約5~10μg/mLで血中半減期は約30~40時間とされている.遺伝子は第13染色体にある.
第Ⅹ因子は組織因子(TF),活性第Ⅶ因子,Caイオン,リン脂質の複合体,あるいは活性第Ⅸ因子,Caイオン,リン脂質,第Ⅷ因子の複合体で重鎖内のArg52-Ile53結合が限定分解され活性化される.この他,ラッセル蛇毒(Russell viper venom;RVV)やCaイオンによっても活性化を受ける.
活性第Ⅹ因子はCaイオン,リン脂質,活性第Ⅴ因子と複合体(プロトロンビナーゼ)を作ってプロトロンビンをトロンビンに転換させる.またCaイオン,リン脂質存在下にTFに結合した第Ⅶ因子を活性化する.
一方,アンチトロンビン(AT)や組織因子経路インヒビター(TFPI)は活性第Ⅹ因子を不活化し凝固を制御している.なお,フォンダパリヌクスは,ATに結合し
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅴ因子《不安定因子》 [保] 223点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅷ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅸ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅺ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅻ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/プロテインC〔PC〕 [保]*
- 新臨床内科学 第10版/【3】活性化プロテインCレジスタンス