基準値 ~50ng/mL(トータルPAI-1)(基準中央値20~30ng/mL)
測定法 LPIA
検体量 血漿0.5mL(クエン酸加)
日数 2~5日
目的 DIC,血栓症,内臓肥満,内皮細胞機能の診断
Decision Level
●50~100ng/mL(増加)
[高頻度]DIC,血栓症,心筋梗塞,悪性腫瘍,感染症(敗血症),糖尿病,血小板増多症,動脈硬化 [可能性]肝硬変,手術,閉塞性黄疸,脂質異常症,甲状腺機能亢進症,骨髄移植後の静脈閉塞症,メタボリックシンドローム,気管支喘息,妊娠 [対策]組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA),t-PA・PAI-1複合体,プラスミノゲン,α2-プラスミンインヒビター(α2-PI)の測定
●100ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]DIC(特に敗血症性DIC),血栓症,悪性腫瘍 [可能性]糖尿病,敗血症 [対策]DICの存在の確認,炎症性疾患の確認,原疾患の診断と治療
●20ng/mL以下(低値~異常低値)
[可能性]先天性PAI-1欠乏症 [対策]一般的な臨床検査においては低値のPAI-1抗原を判断するようには設定されておらず,下限値については未だ不明である.PAI-1欠乏症の診断には特殊な線溶検査や遺伝子解析が必要であるため,患者背景から欠乏症が疑われる場合は専門医療機関での対応が必要である.
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血管内皮細胞や血管平滑筋細胞,脂肪細胞,骨髄巨核球などで産生されるPAI-1(分子量約52,000)はセリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)で,同じ血管内皮細胞から産生放出されるt-PAの主要な阻害因子であり,t-PAと複合体を形成してこれを失活させる.遺伝子は第7染色体にある.血中濃度は通常,25ng/mL前後で,t-PAよりはるかに高い.血中半減期は数分以内ときわめて短い.①血中に遊離のPAI-1(活性
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