基準値
●51Crラベル法
・平均寿命:8.6±1.1日
・血小板回転:37,000±4,000/μL/日
●MDA法 平均寿命:7.8±0.5日
測定法 51Crラベル法,マロンジアルデヒド(MDA)法
検体量 51Crラベル時,ACD-A液入り採血バッグ200~400mL.検査時5~20mL
日数 10日
目的 血小板産生低下または血小板崩壊の亢進の存在の評価
Decision Level
●血小板寿命が正常で,血小板回転が低下
[高頻度・可能性]再生不良性貧血などの骨髄巨核球の低形成,巨赤芽球性貧血などの血小板の無効造血 [対策]骨髄病理検査,培養など,原疾患の診断と治療
●血小板寿命が短縮し,血小板回転が増加(血小板消費の亢進を意味している)
[高頻度・可能性]特発性血小板減少性紫斑病(ITP),DIC,血栓塞栓症,血管内人工器官 [対策]血液凝固,線溶系の検査を含む,原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血小板寿命検査は,生体内での血小板が関与する種々の要因による血小板破壊や,消費の増加を評価する優れた方法である.血小板に51Crを標識し,標識血小板の末梢からの消失時間を測定する方法,また簡便法であるが,アスピリン負荷による血小板のMDA産生低下の回復時間を測定して,血小板寿命を推定する方法もある.アスピリン投与により末梢血の血小板MDA産生は完全に阻害される.アスピリン投与後のMDA産生能の回復は,骨髄より新たにできた血小板の末梢への出現を示すものであり,また逆に,アスピリンが作用した血小板の消失を示す.よって,MDA産生能の回復時間を測定することにより,血小板寿命が判定できる.
末梢血血小板数低下がある場合,血小板寿命,また末梢血血小板数,回収率,血小板寿命より算定される血小板回転の両者を用いて,血小板産生の低下または血小板崩壊の亢進のどちらが原因になっているかを判
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