診療支援
検査

多項目抗原特異的IgE同時測定〔MAST〕  
multiple antigen simultaneous test
久田 剛志
(群馬大学大学院保健学研究科教授)

基準値 クラス0


測定法

・MAST 48mix®:CLEIA法

・Viewアレルギー39®:FEIA法


検体量

・MAST 48mix®:血清0.6mL

・Viewアレルギー39®:血清0.9mL


日数

・MAST 48mix®:4~6日

・Viewアレルギー39®:2~3日


目的 アレルギー性疾患のアレルゲン検索


NOTE‍ 保険点数:特異抗原の種類ごとに110点.ただし1回につき1,430点を限度とする


Decision Level

●陽性(クラス2~6)

[高頻度]各種アレルギー性疾患(気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,アレルギー性胃腸障害) [対策]詳細な問診,皮膚テスト,負荷・誘発試験などを適宜組み合わせて原因となるアレルゲンかどうかを検討する.イムノキャップ®などによるシングルアレルゲンに対する抗原特異的IgE定量で確認し,治療後の経過観察を行う


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 アレルギー性疾患においてアレルゲンの検索は重要である.原因アレルゲンの推定が困難な場合や,多種のアレルゲンに感作されている場合に,多項目の同時スクリーニング検査が有用である.現在使用されるキットとして,CLEIA法によるMAST 48mix®やViewアレルギー39®がある.アレルゲンの単項目指定検査では最大13項目(1,430点)が限度であるが,MAST 48mix®やViewアレルギー39®では同じ保険点数(1,430点)でより多数の項目を検査することができる.単項目ずつの結果がレポートされるため,アレルゲンの特定が可能である.MAST 49mix®で検索可能なアレルゲンを表118に示す.なお血中抗原特異的IgEが陽性であることは,感作されていることを意味するが,アレルギー疾患の原因アレルゲンと特定できるわけではないので注意する.


[関連する検査]

 アレルゲンのスクリーニング後は,陽性となっ

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?