診療支援
検査

リウマチ因子〔RF〕《リウマトイド因子》  
★★
rheumatoid factor
横田 和浩
(埼玉医科大学准教授・リウマチ膠原病科)
三村 俊英
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)

基準値

●定性

・RA(RAテスト):陰性

・RAPA(rheumatoid arthritis particle agglutination):40倍未満

●定量

・RF:15IU/mL以下

・TIA-RF:10U/mL以下


測定法

・RA:ラテックス凝集反応

・RAPA:間接赤血球凝集反応

・RF:ラテックス凝集比濁法

・TIA-RF:免疫比濁法


検体量 血清0.3~0.5mL


日数 1~3日


目的 関節リウマチの診断


NOTE‍ 保険点数:30点(定量).定性は保険適用されない


Decision Level

●陽性〔RF15~45IU/mLは低値陽性,RF45IU/mL以上は高値陽性(関節リウマチ分類基準:2010年ACR/EULAR新分類基準)〕

[高頻度]関節リウマチ(RA),悪性関節リウマチ [可能性]Sjögren症候群,混合性結合組織病,全身性硬化症,全身性エリテマトーデス(SLE),多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM),ウイルス性肝炎,慢性感染症(特に結核,感染性心内膜炎),悪性腫瘍,クリオグロブリン血症,サルコイドーシスなど [対策] 関節の腫脹,疼痛の有無を確認し,炎症所見(CRP,赤沈),抗核抗体を測定する.多発性関節炎,炎症所見が陽性であれば,抗CCP抗体,MMP-3を測定し,罹患関節のX線,必要に応じてMRI,エコーなどを検査する


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 RA患者の血清中に高頻度で出現する免疫グロブリンG(IgG)のFc部分に対する自己抗体であり,日常臨床検査で検出されるのは主としてIgMクラスのRFである.米国リウマチ学会関節リウマチ改訂分類基準(1987年)と米国・欧州リウマチ学会合同関節リウマチ新分類基準(2010年)の1項目に取り上げられている.


[感度・特異度]

 RAの感度70%,特異度80%であり,RF 100 IU/mL以上の多発性関節炎では低値,または陰性患

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