診療支援
検査

抗RNP抗体《抗U1-RNP抗体》   144点(包)
anti-ribonucleoprotein antibody《anti-U1-ribonucleoprotein antibody》
秋山 雄次
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)
三村 俊英
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)

基準値

・DID(二重免疫拡散法):陰性

・ELISA:陰性(10IU/mL以下)


測定法 DID,ELISA


検体量 血清0.5mL


日数 2~4日


目的 ①混合性結合組織病(MCTD)の診断,②全身性エリテマトーデス(SLE)の可能性の判定,③全身性強皮症(SSc)の可能性の判定


Decision Level

●陽性

[高頻度]MCTD [可能性]SLE,SSc,多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM),重複症候群,Sjögren症候群,未分類膠原病(UCTD)


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 snRNP(small nuclear ribonucleoprotein)は,核内に存在する100~300ヌクレオチドの小さなRNA(snRNA; small nuclear RNA)と複合体を形成する非ヒストン核蛋白でmRNAのスプライシングにおいて重要な役割を演じている.U1-RNPは,核内のU1-snRNAと9個のポリペプチド(70kDa,A,B/B',C,D,E,F,G)との複合体を形成する蛋白で,抗U1-RNP抗体は,特に70kDa,A(32kDa),C(23kDa)を認識しRNaseに感受性を示す.他に抗U2-RNP抗体,抗Sm抗体(B',B,D)などがよく知られている.

 二重免疫拡散法においては,標準血清として抗U1-RNP抗体陽性血清を用いて抗U1-RNP抗体を測定する.

 ELISAにおいては70kDa,A,Cのリコンビナント抗原を用いる.正式には,抗RNP抗体とはいずれかのRNP(snRNPs)を認識する抗体で,抗U2-RNP抗体,抗Sm抗体なども含むと考えられる.しかし,通常抗RNP抗体といえば抗U1-RNP抗体を指すことが一般的である.自己免疫疾患を疑う場合,スクリーニングとして蛍光抗体法で抗核抗体を測定することが多い.本抗体は斑紋型(speckled pattern)を示すの

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