診療支援
検査

抗カルジオリピン抗体《抗リン脂質抗体》  
anti-cardiolipin antibody〔aCL〕《anti-phospholipid antibody〔aPL〕》
梶山 浩
(埼玉医科大学講師・リウマチ膠原病科)
三村 俊英
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)

基準値

・抗カルジオリピンIgG抗体:12.3U/mL以下

・抗カルジオリピンIgM抗体:20.8U/mL以下

・抗カルジオリピン-β2-グリコプロテインⅠ複合体抗体(抗CL-β2-GPⅠ抗体):3.5U/mL未満

NOTE 「抗CL-β2-GPⅠ抗体」,「スピロヘータ類 梅毒血清検査」の項も参照されたい


測定法 ELISA,FEIA,CLIA


検体量 血清0.5mL


日数 2~5日


目的 抗リン脂質抗体(anti-phospholipid antibody;aPL)の存在の確認


NOTE‍ 保険点数:226点,678点(抗カルジオリピンIgG/IgM抗体および抗β2グリコプロテインⅠIgG/IgM抗体4項目同時測定)


Decision Level

●強陽性

[高頻度]全身性エリテマトーデス(SLE),原発性抗リン脂質抗体症候群(primary APS),2次性抗リン脂質抗体症候群(2次性APS),梅毒 [対策]原疾患,基礎疾患の診断と治療

●弱~中等度陽性

[高頻度]「強陽性」と同様 [可能性]Sjögren症候群,全身性硬化症(SSc),関節リウマチ(RA),多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM),感染症,悪性腫瘍 [対策]原疾患,基礎疾患の診断.血栓症状などがみられるか確認し,その既往があれば治療


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 抗カルジオリピン抗体(aCL)はリン脂質であるカルジオリピン(CL)をELISAプレートに固相化して検出するaPLの1つである.抗リン脂質抗体症候群(APS)で検出されるaCLの抗原は,実際にはCLに結合して構造変化をきたしたβ2-グリコプロテインⅠ(β2-GPⅠ)に対する抗体である.

 APSは臨床的に動・静脈の血栓症,血小板減少症,習慣流産,死産,子宮内胎児死亡などの臨床症状に伴い,血中に抗リン脂質抗体〔aCLもしくはループスアンチコアグラント(LAC)〕が証明さ

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