診療支援
検査

CD3,CD4,CD8   185点
三﨑 義堅
(京都桂病院・膠原病リウマチ科部長)

基準値

・CD3:58~84%

・CD4:23~52%

・CD8:22~54%

・CD4/CD8比:0.4~2.3


測定法 フローサイトメトリー


検体量 血液3mL(抗凝固剤はEDTAまたはヘパリン)


日数 3~5日

NOTE 本項は前項「リンパ球サブセット」に含まれる項目だが,測定頻度の高いサブセットなので,独立した項目とした.前項も参照されたい


目的 CD3を表出しているT細胞をCD4陽性ヘルパーとCD8陽性細胞傷害性T細胞に分けることによる異常の測定


Decision Level

●CD3増加

[高頻度]伝染性単核球症,百日咳,T細胞白血病 [対策]原疾患の診断と治療

●CD3減少

[高頻度]ウイルス感染,AIDS,先天性免疫不全症候群 [対策]原疾患の診断と治療

●CD4増加

[高頻度]成人T細胞白血病,HHV-6感染 [対策]原疾患の診断と治療

●CD4減少

[高頻度]HIV感染,特発性CD4陽性細胞減少症,先天性免疫不全症候群,ウイルス感染症,結核,真菌感染症,関節リウマチ,全身性エリテマトーデス(SLE),副腎皮質ホルモン投薬時,妊娠,高齢 [対策]原疾患の診断と治療

●CD8増加

[高頻度]EBウイルス感染症(伝染性単核球症:形態は異型リンパ球が多い) [対策]原疾患の診断と治療

●CD8減少

[高頻度]先天性免疫不全症候群 [対策]原疾患の診断と治療

●CD4/CD8比低下

[高頻度]HIV感染症・AIDS(CD4の減少),原発性胆汁性肝硬変(CD4の減少),伝染性単核球症(CD8の増加) [対策]原疾患の診断と治療


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CD3を細胞表面にもつことによって同定されるT細胞は,さらにCD4(ヘルパー)を表出するものと,CD8(細胞傷害性)を表出するものに大別される.

 免疫系が活動状態にある(たとえば細菌感染,膠原病など)場合は,CD4陽性T細胞が増加する傾向にあるので,疾患

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