診療支援
検査

CD30   400点
三﨑 義堅
(京都桂病院・膠原病リウマチ科部長)

基準値 陰性


測定法 免疫組織化学またはフローサイトメトリー


検体量

・パラフィン切片スライド2枚(免疫組織化学)

・血液5mL(フローサイトメトリー)


日数 免疫組織化学は施設により異なる


目的 主に悪性リンパ腫の診断,治療標的検索


Decision Level

●陽性

[高頻度]Hodgkinリンパ腫〔古典的Hodgkinリンパ腫(classical HL;cHL)〕,未分化大細胞型リンパ腫,皮膚原発CD30陽性リンパ増殖性疾患 [可能性]その他成人T細胞白血病・リンパ腫や末梢性T細胞リンパ腫の一部,菌状息肉腫,縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫などびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の一部,HHV-8陽性原発性滲出性リンパ腫.また活性化リンパ球に発現するので,上記のリンパ腫だけでなく,EBV関連リンパ増殖性疾患,伝染性単核球症,ウイルス感染,自己免疫疾患で陽性となる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CD30は,分子量120~150kDaの577個のアミノ酸からなる膜1回貫通型のTNFレセプターファミリーに属する膜糖蛋白質である.CD30がメタロプロテアーゼADAM17で切断されると可溶型(sCD30)となる.CD30陽性細胞が増えれば血中sCD30も高値となる.CD30のリガンド(CD30L)は,分子量85kDa,234個のアミノ酸からなる.CD30-CD30Lを介したシグナルは,細胞増殖や細胞死,サイトカイン分泌,細胞分化など多様な現象に関与することが示されているが,真の生理的意義は不明である.CD30は,cHLの多核のReed-Sternberg細胞,単核のHodgkin細胞に発現する.未分化大細胞型リンパ腫にも発現し,CD30を介したNF-κB活性化を介したオートクリン的な機序でCD30発現を持続しているという説もあるが,明確でない.

 CD30は,現在治療標的として脚光を浴びている.CD

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