基準値 220~530U/mL
測定法 ELISA
検体量 血清0.3mL
日数 3~9日
目的 非Hodgkinリンパ腫,成人T細胞白血病(ATL)の治療効果判定,寛解,再発の推定
Decision Level
■sIL-2R
●530~1,000U/mL(軽度上昇)
[高頻度]T細胞性非Hodgkinリンパ腫の寛解期,ATLの寛解期,肝炎,自己免疫疾患 [可能性]肺癌
●1,000~2,000U/mL(中等度上昇)
[高頻度]非Hodgkinリンパ腫,成人T細胞白血病,間質性肺炎 [可能性]肝炎,自己免疫疾患
●2,000U/mL以上(高度上昇)
[高頻度]非Hodgkinリンパ腫,成人T細胞白血病の増悪期
●上記異常値の対策
①高度上昇の場合はリンパ腫などの原疾患の再発,再燃を強く疑い,LDなど他のマーカーの動向を検討すると同時に,画像診断,骨髄穿刺,生検を積極的に行う.②軽度~中等度上昇の場合は,絶対値よりも時系列による判断が重要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
IL-2は細胞膜表面に存在するIL-2Rと結合し,細胞内へシグナルが伝達される.IL-2Rはα鎖(55kDa),β鎖(75kDa),γ鎖(64kDa)からなり,これらの鎖の複合体で高親和性受容体を構築し,α鎖単独では低親和性受容体を構築する.活性化されたリンパ球から可溶性IL-2Rが遊離することが知られ,血清中にも検出される.
近年ではリンパ腫の診断,モニタリングのみならず,免疫系が活性化するような病態,すなわち血管炎,成人発症Still病をはじめとするリウマチ性疾患や肝炎でも広く上昇することが知られている.その程度は,軽度から高度と多岐にわたる.血球貪食症候群できわめて高くなる例が知られている.
判読
リンパ性腫瘍であっても血清中IL-2R濃度は上昇する場合と,しない場合があり,診断的に確認し,その後の判断の基準とする.再発,