基準値 55pg/mL以下(参考値)
測定法 EIA 発光法
検体量 血清0.8mL
日数 4~10日
目的 IL-6が上昇するような腫瘍や炎症性疾患における疾患活動性の評価
Decision Level
●高値(上昇)
[可能性]①多クローン性B細胞異常,自己免疫疾患:関節リウマチ,Castleman病,心房粘液腫,甲状腺炎,アルコール性肝硬変,1型糖尿病.②慢性増殖性疾患:メサンギウム増殖性糸球体腎炎,Kaposi肉腫,乾癬.③悪性疾患:多発性骨髄腫,形質細胞腫,白血病,リンパ腫,腎細胞癌.④その他:敗血症,骨粗鬆症,AIDS,肝炎,神経Behçet(髄液中IL-6) [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
IL-6はB細胞分化因子として純化されたが,IL-1同様,免疫系,神経系,内分泌系,造血系,肝臓などに作用し,生体のホメオスタシスに深く関与していることが明らかになっている.また,臨床的にはCRPなどと同様に炎症に深く関与し,炎症マーカーとしての利用も可能である.骨髄腫ではオートクリンの機序で増殖していることが知られている.
COVID-19におけるサイトカインストームやキメラ抗原受容体-T細胞療法の副作用であるサイトカイン放出症候群など,高サイトカイン血症を特徴とする全身性の炎症においては,IL-6受容体抗体薬などによるIL-6阻害療法が考慮されることもある.
判読
①一般にサイトカインは血清中に極微量しか存在せず,その産生は種々の制御機構に影響される.②現状では,IL-6の血中濃度測定も病態の理解には役立つが,診断への利用は難しい段階である.③関節液,胸水,腹水中のIL-6は疾患活動性の指標となりやすい.④神経Behçet病や中枢神経性SLEでは髄液中IL-6が増加する(5ng/mL以上).⑤日内変動があり夜間早朝に高い傾向があるとされる.
採取保存
凍結保
関連リンク
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