基準値
・男性:65~353pg/mL(血清)
・女性:70~296pg/mL(血清)
測定法 ELISA法
検体量 血清200μL
日数 1日
目的 Crow・深瀬症候群(POEMS症候群)の診断または診断後の経過観察
Decision Level
●男性で353pg/mL,女性で296pg/mL以上
[高頻度]多発性神経炎のある場合はCrow・深瀬症候群(POEMS症候群),多発性神経炎のない場合はCastleman病 [可能性]喫煙,動脈硬化の進行,悪性腫瘍,炎症性疾患 [対策]Crow・深瀬症候群(POEMS症候群)あるいはCastleman病の精査を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血清VEGF(VEGF-A)は主に血小板に存在しており,血漿VEGFの濃度は血清VEGF濃度に比べ著しく低い.血清VEGF濃度は男女ともに末梢血の血小板数に弱いながらも正の相関を示す. Crow・深瀬症候群(POEMS症候群)あるいはCastleman病において血清VEGF(≒血小板VEGF)の上昇する機序は不明である.Crow・深瀬症候群(POEMS症候群)の特徴的な症状である多発神経炎,モノクローナルなγ-グロブリンの出現,皮膚の色素沈着,全身性の浮腫,臓器腫大との関連が示唆されている.
[関連する検査]
白血球数,CRPなどの炎症性マーカー,血小板数や動脈硬化に関連する体脂肪率とは弱い正の相関を示す.HDL-コレステロールとは弱い負の相関を示す.
[特定背景のある患者]
担癌患者では高値となる可能性がある.
判読
閉経前は閉経後より高値の傾向を示す.
採取保存
凍結保存.
保険注意
Crow・深瀬症候群(POEMS症候群)の診断または診断後の経過観察を目的として,ELISA法により測定した場合に,月1回を限度として算定できる.
推奨する総説
橋口照人:クロウ・深瀬(POEMS)症候群の診断補助としての
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