基準値 試験管凝集反応:Abortus 40倍未満,Canis 160倍未満
測定法 細菌凝集反応,補体結合反応(CF),酵素抗体法(ELISA)
検体量 血清1.0mL
日数 7~13日
目的 ブルセラ症の診断
Decision Level
●単独測定の場合は160倍以上
[高頻度]ブルセラ症 [対策]臨床症状や感染機会(職業,渡航歴など)の有無などと併せて判断する.海外からの帰国者,危険食品の摂食者,および一部のハイリスク集団(酪農家,獣医師,と畜場従業員,実験室感染)などで,筋肉・骨格系に及ぼす影響が強く,全身的な疼痛,倦怠感,持続的な間欠熱や波状熱がみられる場合は注意する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ブルセラ症は,潜伏期間が長いことも多く,発症初期(感冒様症状など)でもすでに抗体を保有していることが多い.また,ブルセラ属菌は細胞内寄生菌であるため,抗体は菌の排除にはあまり役に立たない.つまり抗体が存在するということは,「菌がどこか(リンパ節など)に潜伏していて,時折,抗原刺激を与えている=感染が継続している」と考えることもできる.そのため,抗体保有状況はそのときの感染状況を直接反映すると考えられ,抗体検査の診断的意義は非常に大きい.
IgG抗体は,治癒後も1年くらい検出できるといわれている.
S-LPSをもつ家畜ブルセラ属菌に対する抗体の測定には,Brucella abortusの死菌体を用いた試験管内凝集反応が広く用いられるが,これではR-LPSをもつB. canisに対する抗体は検出できない.B. canisに対してはB. canisの凝集反応用抗原を用いる.基本的に臨床検体では,両方の検査をセットで行うことになる.ブルセラ症例ではB. abortus抗原に陽性を示すが,B. canis抗原にも陽性を示すこともある.Francisella tularensis(野兎病菌
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