基準値 陰性
測定法
・ラテックス凝集反応
・イムノクロマト法(Qライン極東PBP2')
検体量
・2白金耳菌量
・血液培養液250μL(MRSA-LA「生研」)または1白金耳菌量
日数
・黄色ブドウ球菌同定後の集落から:約10分(院内検査)
・血液培養陽性検体または黄色ブドウ球菌同定後の集落から:約25分(院内検査)
目的 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の迅速鑑別
NOTE *保険点数:①55点(ラテックス凝集反応:LA法),②291点(イムノクロマト法)
Decision Level
●陽性
[高頻度]MRSA
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
黄色ブドウ球菌には分子量の違いによって分けられる4つのペニシリン結合蛋白(penicillin binding protein;PBP)がある.MRSAはPBP1(MW82kD)とPBP2(MW74kD)の間に新しい細胞壁合成酵素PBP2'(MW78kD)を産生している.この酵素蛋白はメチシリン耐性ブドウ球菌遺伝子(mecA遺伝子)によってコードされている.
PBP2'はβ-ラクタム系薬に対する親和性が低いため,β-ラクタム系薬の存在下であっても細胞壁合成機能は阻害されない.これがMRSAのβ-ラクタム系薬耐性機構であり,黄色ブドウ球菌からPBP2'を検出することによってMRSAであるか否かを判定することができる.
MRSAはβ-ラクタム剤をはじめとする種々の抗生物質に耐性を示すため,感染症を起こした場合に難治性となることが多い.MRSA感染症に対して無効な抗菌薬の投与を行うことはMRSAを選択的に増殖させ,かえって症状の悪化を引き起こす場合もあることから,患者から分離された黄色ブドウ球菌がMRSAか否かを判定することは治療薬の選択およびその効果上の理由から重要な検査である.
判読
①検体中のPBP2'抗原が検出感度以下の場合は検出できないことがあ
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