基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法(ICA)
検体量 尿または髄液約50~100μL
日数
・院内検査:約15分
・院外検査:2~4日
目的 肺炎球菌感染症の迅速診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]肺炎球菌による肺炎,髄膜炎 [可能性]肺炎球菌による菌血症「肺炎球菌抗原定性(尿・髄液)」の項を参照→
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本検査は,尿および髄液中の肺炎球菌莢膜多糖を特異的に認識するポリクローナル抗体を利用したICAを原理としている.感染症の起炎菌として頻度の高い23種類の莢膜抗原を検出することができる.肺炎球菌は,市中肺炎の原因菌として最も多く分離されるグラム陽性球菌である.中耳炎や肺炎の他,菌血症や髄膜炎などの侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こす.
[感度・特異度]
本検査において市中肺炎症例の感度は70.4~75.9%で,特異度は89.7~94%,髄膜炎症例の感度は96.7%,特異度は99.5%である.本検査の妨害物質として以下の各成分量には注意を要する.尿中成分については,白血球106個/mL以上,赤血球106個/mL以上,蛋白質750mg/dL以上,グルコース2,000mg/dL以上のいずれかであった場合,および髄液中成分については,白血球1×104個/mL以上,赤血球30個/μL以上,蛋白質3g/dL以上,ビリルビン100μg/mL以上のいずれかであった場合には偽陰性を疑う.
[見逃してはならない異常値]
髄液を用いた検査結果が陽性であった場合には,早期診断および早期治療が最も重要である.本検査での陽性および本菌の血液培養からの検出により侵襲性肺炎球菌感染症と診断された場合は,5類感染症法に含まれることから7日以内に最寄りの保健所への届出が必要となる.
[関連する検査]
塗抹検査および細菌培養検査を併せて行う.肺炎球菌抗原定性(ラテックス凝集法)検査,肺炎
関連リンク
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