基準値 陰性(IgG,IgMいずれも10倍未満)
測定法 間接蛍光抗体法(IF法),間接免疫ペルオキシダーゼ法(IP法)
検体量 血清0.5mL
日数 2日
目的 つつが虫病の診断
Decision Level
●陽性
回復期血清中のIgM抗体・IgG抗体のどちらか一方,あるいは両方の抗体価が,急性期血清中の抗体価と比較して4倍以上上昇しているものを陽性とする.やむをえず急性期血清だけで診断する場合には,IgM抗体価が80倍以上のものを陽性とする(使用する試薬,器具によりカットオフ値は若干異なる)
[高頻度・可能性]Orientia tsutsugamushiの感染 [対策]ツツガムシの刺し口の存在,その他臨床所見と併せて総合的に判断する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
つつが虫病は発熱,発疹,刺し口を3主徴とする感染症であり,山歩きなどの機会に,ダニの一種つつが虫の幼虫に刺されることにより,O. tsutsugamushiに感染する.体内に侵入したO. tsutsugamushiは局所で増殖して炎症病巣を形成し,リンパ行性,血行性に全身に広がり,血管内皮細胞やマクロファージ内で増殖して微小血管炎・血管周囲炎を起こし,全身諸臓器の障害を起こす.感染より7~14日の潜伏期の後に急激な発熱で発症し,頭痛,悪寒,全身倦怠感,筋肉や関節の痛みを伴う.発疹は2~5病日に顔面,体幹から出現する.刺し口は径約10mmの黒色痂皮で被われた潰瘍で周囲に発赤・腫脹を認める.リンパ節腫脹,肝脾腫を伴うことがある.重症例では播種性血管内凝固症候群(DIC)やショックを合併し,死に至ることもある.
特異的血清学的検査として,O. tsutsugamushiには多様な型特異抗原があるが,本邦におけるツツガ虫病は,標準3株(Gilliam株,Karp株,Kato株)および新型としてIrie(Kawasaki)とHi
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