診療支援
検査

ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む)  
simultaneous detection of multiple items of virus and bacterial nucleic acid
北村 義浩
(日本医科大学医学教育センター個別化教育推進部門・部門長(特任教授))

基準値 検出せず(陰性)


測定法 マイクロアレイ法(定性)


検体量 鼻咽頭ぬぐい液 0.3mL以上


日数 即日


目的 COVID-19が疑われる患者の鼻咽頭ぬぐい液中のウイルス(18種)/細菌(4種)の核酸検出を目的とする(診断補助).


NOTE‍ 保険点数:1,800点(外部委託),1,350点(院内)


Decision Level

●検出

 2022年9月時点では,FilmArray®呼吸器パネル2.1のみが保険承認されている.

[高頻度]インフルエンザウイルス,コロナウイルス,パラインフルエンザウイルス,ヒトメタニューモウイルス,アデノウイルス,RSウイルス,ヒトライノウイルス,エンテロウイルス,マイコプラズマ・ニューモニエ,クラミジア・ニューモニエ,百日咳菌,パラ百日咳菌,またはSARS-CoV-2の感染症 [可能性]検査対象でない微生物との複合感染の可能性を除外できない [対策]COVID-19の診断はこの検査結果のみで行わず,臨床症状も含め総合的に判断

●検出せず(陰性)

[可能性]本検査が検出対象とする細菌またはウイルスの感染を否定できない


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 対象微生物(SARS-CoV-2を含む)は,類似する急性呼吸器疾患を起こすので臨床所見だけで正確に診断できない.いずれも鼻咽頭を含む上気道で増殖するので,鼻咽頭ぬぐい液中の微生物の検出同定は鑑別診断上有用である.特に,COVID-19流行が高まっている地域ではSARS-CoV-2の検出同定は重要である.また,対象微生物による感染症は,特に小児においては,ありふれた疾患であり鑑別は有用である.

 検出同定法は,対象の微生物の核酸をマルチプレックス-ネスティッドPCR法を用いる定性検査である.二段階のPCRであり,複数のウェルで実施し,しかも産物のTm値のチェックも行ったうえで陽性判定をするので,特異性はきわめて高

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