診療支援
検査

EBウイルス核酸定量《EBウイルスDNA定量〔EBV-DNA〕》   310点
EB virus nucleic acid
北村 聖
(地域医療振興協会顧問)

基準値 検出せず


測定法 PCR,リアルタイムPCR


検体量 EDTA-2Na加血5mL


日数 2~4日


目的 EBウイルス感染症の診断


Decision Level

●高値

[高頻度]EBウイルス(Epstein-Barr virus;EBV)感染症


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 EBV感染症の確定診断になる.伝染性単核症(IM),Burkittリンパ腫,上咽頭癌をはじめ,T/NK細胞性リンパ腫/白血病,胃癌,Hodgkin病などEBVは,多くの疾患との関連が判明,あるいは示唆されている.さらに,まれな疾患であるが,EBV特異的免疫不全症Duncan病(X-linked lymphoproliferative syndrome;XLP)や慢性活動性EBV感染症(CAEBV),EBV関連血球貪食症候群(VAHS)などもある.また,免疫不全者の日和見リンパ腫,リンパ増殖性疾患(LPD)もある.

 EBVの診断には血清学的診断があるが,日本の成人の95%以上が抗体陽性者であり,初感染のみならず再活性化での疾患も多く,血清学的診断では疾患との因果関係を判断できない.リアルタイムPCRを用いたEBV-DNAの定量解析では,対照群に対してIM,CAEBV,LPD患者末梢血中のEBV-DNAが有意に高いことが報告され,潜伏EBV感染や無症候性再活性化と症候性EBV疾患とを区別することが可能と考えられる.


採取保存

 冷蔵で21日保存可能.


保険注意

 以下のいずれかに該当する患者に対して,リアルタイムPCRにより実施した場合に算定する.①臓器移植後の患者については,移植後3カ月以内の場合は1週に1回,移植後1年以内の場合は1カ月に1回に限り算定する.移植後1年以内にEBV核酸定量の高値が認められた患者については,移植後1年以上経過した場合も,3カ月に1回に限り算定できる.②造血幹細胞移植後の患者であって,

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