基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法
検体量 角膜病変部ぬぐい液0.5mL
日数 15分
目的 角膜ヘルペスが疑われる場合の単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染の有無の診断補助
Decision Level
●陽性
[高頻度]上皮型角膜ヘルペス [対策]検出限界を考慮し,角膜ヘルペスを疑うが陰性の場合で抗原検出が必要な場合,ウイルス分離,PCR法を試みる.角膜ヘルペス抗原検査が陽性であっても,他のウイルス,細菌,真菌との重複感染,二次感染を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
HSVは,エンベロープをもつDNAウイルスで,1型と2型の亜型に分類される.初感染の多くは不顕性感染で,感染後ストレスや過労が原因で,三叉神経節に潜伏感染した単純ヘルペスの再活性化によってウイルスが神経節から角膜上皮細胞に感染することにより,角膜ヘルペスを起こす.角膜ヘルペスは片眼性に発症し再発するのが特徴で,最も失明率が高い.また,角膜ヘルペスは大別して角膜表面の上皮でウイルスが増殖する上皮型,ウイルスが角膜実質細胞に感染しHSVに対する免疫反応により炎症が生じる実質型,ウイルスの増殖か免疫反応によるものかいまだ不明の内皮型に分かれ,本法は上皮型角膜ヘルペス感染の検出を目的とした補助診断である.
[関連する検査]
①細隙灯顕微鏡検査でHSVによる樹枝状角膜炎の所見がみられれば診断に有用であるが,非定型的な例もあるので注意が必要である.②抗体価測定は,角膜ヘルペスの再発ではIgG抗体価変動はみられず,IgM抗体価が上昇している場合,初感染が疑われる.③ウイルス抗原の直接検査として,角膜上皮擦過物中のウイルス抗原と抗体反応を利用した蛍光抗体法がある.ウイルス分離に比べ迅速性,感度,特異性ともに高く,型別も可能であるが,蛍光顕微鏡が必要となる.
採取保存
角膜病変部擦過抽出液を専用容器に入れ,速やかに測定する.
保
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